個人民事再生の「目的」は何ですか?
【個人民事再生とは?】
借金を返済できなくなった際には、いくつかの法的な救済措置があり、そのひとつが個人民事再生です。
民事再生法はもともとは企業を対象とした法律で、債務者との話し合いによって債務の軽減などを求める任意整理と、裁判所が破産宣告をすることで債務を整理してしまう破産との中間に位置しています。
仕組みとしては、債権者の多数の同意を得て、かつ裁判所の認可を受けた再生計画を定めることにより、債権者の再生を図るというものです。
任意整理では、あくまでも話し合いで行われますが、債権者が多い場合にはそれらを取りまとめるのが難しく時間が経つに連れて状況が悪化し破産するしかない状態にまで追い込まれる可能性が存在します。
これを避けるために民事再生では、裁判所を仲介者として入れ、再生計画によって債務者の破産を防ぎ再生を目指すことになります。
一方で、民事再生法そのものは企業などの法人を想定したものでしたが、これを個人にも適用できるようになっています。
これは民事再生法第13章の「小規模個人再生及び給与所得者等再生に関する特則」によって決められているものです。
任意整理では整理できないぐらいの債務であり、しかし、自己破産するほどでもない債務が対象になり、十分に生活を立て直すだけの能力があることが裁判所に認められた場合に利用できます。
再生計画では、大幅な債務の減免を受けることができ、具体的には債務を5分の1程度にまで減らすことができますし、3000万円以上であれば10分の1程度まで減らすことができます。
またその債務を3年から5年の長期間の分割払いで返済することができます。
また個人民事再生の最大の目的は財産維持になります。破産をすると、30万円以上の財産は没収されますが、個人民事再生では住宅資金特別条項と呼ばれる特殊な制度があり、住宅ローンをその他の債務とは別扱いにすることができます。
つまり、住宅ローンを支払い続けることで住宅を手放さずに済むというものです。
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