カードローンの借入上限を年収の1/2へ抑制
カードローンの借入上限を年収の1/2へ抑制
〜2017.1
消費者への過剰融資が懸念されている銀行カードローンですが、金融庁は昨年9月に行った初の立ち入り検査の結果を公表しました。
その結果、他行からの借入分をカウントしていなかったり、融資審査を消費者金融などに任せていたりした銀行には改善を求めました。
その立ち入り検査を受けて、多くの銀行ではカードローンの融資上限を年収の1/2とする方向になる見込みです。
今回の検査対象は3メガバンクを含むカードローンの貸付残高が多い12行。金融庁は各行の融資の審査態勢や広告宣伝のあり方などを検査しました。
今回の検査とは別に、昨年3月に全国銀行協会は、カードローンの過剰融資への批判を受けて、各銀行に過剰融資の防止策を講じるよう求めています。
金融庁は今回の検査を通じ、過剰融資防止策の対策が不十分な銀行にさらに改善を促しました。
金融庁の検査結果では、カードローンの融資上限は12行中7行が他行分を含む総融資額を年収の1/2としていました。
残る4行は自行分だけで上限を設け、1行には上限がありませんでした。
他行や消費者金融からの借り入れも含めると融資額は膨らみがちで、金融庁は他行なども含む融資上限を設定するように求めました。
金融庁は、銀行にも年収比の融資上限が必要だとの認識で、多くの銀行が「年収の1/2」を上限としつつあります。
金融庁は、銀行が融資審査をする際、債務保証する消費者金融の審査を通れば融資するといういわゆる「丸投げ」の状況であったり、50万円超と多額を融資する際に年収証明書を取得していなかったりした銀行にも改善を促しました。
融資後も利用者に定期的に年収証明書を出してもらったり、返済が苦しい利用者の相談を手厚くしたりすることも求めています。
支店や行員に対する過剰なノルマが課せられていないかも調べましたが、問題があるケースはありませんでした。
金融庁は今後、検査の対象を全国の各行に広げ、最終的な検査結果をまとめる方針です。改善を促した銀行の見直し状況も確かめる予定です。
しかし、融資の上限などで具体的な基準を示すことは考えておらず、法律で融資の上限が定められている消費者金融との条件をそろえる法改正も考えていないとのことであります。
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